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アクセシビリティとは-ウェブ制作で重要なこと

アクセシビリティ(Accessibility)とは、あらゆる人がウェブサイトやアプリケーション、デジタルコンテンツなどにアクセスし、利用する際の容易さや利便性を指します。
具体的には、身体的な障害や視覚・聴覚・認知上の制約を持つ人々、高齢者、一時的な障害を持つ人々など、多様なユーザーグループが含まれます。
アクセシビリティの重要性は、インターネットの普及と共に増してきました。
ウェブやデジタルテクノロジーは、情報やサービスへのアクセスを容易にし、社会参加や情報共有の機会を広げるため、あらゆる人にとって利用しやすい環境を提供する必要があります。
アクセシビリティに取り組むことの重要性は以下のような理由から明確です。
公平性と包括性
アクセシビリティは、あらゆる人が平等な機会を持ち、情報にアクセスし、コンテンツやサービスを利用できるようにするための基本的な要素です。社会的な包摂を促進し、差別や排除を減らす助けとなります。
法的要件
多くの国や地域では、アクセシビリティに関する法的な要件や規制が存在します。例えば、アメリカのAmericans with Disabilities Act(ADA)や欧州連合のウェブアクセシビリティ指令(EU Web Accessibility Directive)などがあります。これらの法的要件を遵守することは、法的なリスクを回避するために重要です。
ユーザーエクスペリエンスの向上
アクセシビリティを考慮したデザインや開発は、全体的なユーザーエクスペリエンスを向上させることにもつながります。例えば、明瞭なコンテンツやナビゲーション、視覚的な補助ツールの提供などは、全てのユーザーにとって使いやすくなります。ユーザーエクスペリエンスが向上すれば検索順位アップにも繋がります。
アクセシビリティを実現するためには、ウェブコンテンツアクセシビリティガイドライン(WCAG)や様々なアクセシビリティベストプラクティスに従う必要があります。
以下は、アクセシビリティの実現に役立つ一部の手法です。
ページ構造とナビゲーションの適切な設計
論理的なページ構造と明確なナビゲーションを提供することで、ユーザーがコンテンツを見つけやすくなります。見出しの適切な階層化、リンクテキストの明瞭さ、スキップリンクの提供などが含まれます。
視覚的アセットのアクセシビリティ
コントラストの高い配色、適切なテキストサイズ、代替テキストの提供など、視覚的な要素のアクセシビリティを確保します。視覚障害を持つユーザーがテキストや画像を理解できるようにするために、適切な対応が必要です。
キーボード操作のサポート
キーボード操作だけでサイトやアプリケーションを完全に操作できるようにすることは重要です。フォーカスの管理、キーボード操作に対する適切なフィードバック、キーボードショートカットの提供などが含まれます。
フォームと入力フィールドのアクセシビリティ
フォームのラベルとフィールドの関連付け、エラーメッセージの明瞭さ、適切な入力制約など、フォームの利用性とアクセシビリティを確保します。
マルチメディアコンテンツへのアクセス
動画や音声コンテンツには、キャプションやテキストの提供、オーディオの自動再生の制御など、アクセシビリティの配慮が必要です。
リンクの明瞭さと一貫性
ユーザーがリンクを特定しやすくするために、明確なリンクテキストや一貫したスタイルを使用します。リンクの役割を伝えるために、意味のある文言を選択し、特定のコンテンツまたは機能にリンクしていることを明示します。
ユーザー代理技術への対応
スクリーンリーダーや補助技術を使用するユーザーに対応するために、適切なマークアップとタグを使用します。セマンティックなHTML構造を作成し、補助技術がコンテンツを適切に解釈できるようにします。
テキストの読み上げ順序の制御
スクリーンリーダー使用者にとって、コンテンツの読み上げ順序は重要です。適切なHTMLマークアップやARIA属性を使用して、読み上げ順序を制御し、ユーザーが情報を理解しやすくします。
バリデーションとエラーメッセージの改善
フォームの入力エラーをユーザーに適切に伝えるために、明瞭で具体的なエラーメッセージを提供します。エラーメッセージの位置やスタイルを工夫し、視覚障害のあるユーザーでも理解しやすくします。
モバイルデバイスでのアクセシビリティ
モバイルデバイスは、画面サイズの制約やタッチ操作などの特性を持っています。モバイルフレンドリーなデザインと操作性を確保し、ユーザーが手軽にアクセスできるようにします。
アクセシビリティは、ウェブサイトやアプリケーションの設計、開発、コンテンツ作成の段階から考慮されるべき重要な要素です。
ホームページ制作を行うウェブデザイナーにとって、近年ではアクセシビリティは必要な知識で課題となっています。単純に見た目だけにこだわるのではなく、アクセシビリティの観点を取り入れた制作が必要です。
Googleが推進するように、制作段階からアクセシビリティを取り入れることでSEOにも優位に働きます。